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コラム

液状化とは?

液状化によるマンホールの浮き上がり

液状化とは、地震によって地面が液体のようにドロドロになることです。水分を多く含んだ細かい砂質の土壌において起こりやすく、地震の際にその影響が顕著に現れます。

過去には、2011年の東日本大震災で液状化の被害が大きく取り上げられ、人々の液状化に対する認識が高まりました。液状化の被害は、河川堤防や埋立地に多く、住宅や道路、ライフラインなどに大きな影響を及ぼしました。東日本大震災では、約 27,000件の住宅地において液状化が発生し、熊本地震、北海道胆振東部地震といった大規模地震でも同様の被害が発生しています。

液状化のしくみ

液状化のしくみ

液状化とはイラスト

液状化が発生する条件は3つあります。

 

①粒径が均一でゆるい砂地盤

②水で飽和した地盤

③大きな地震の発生

 

地盤は土、空気、水で構成されています。空気や水は、地盤の土粒子の間隙(すき間)に存在していますが、液状化の起こりやすい地盤において、この間隙は水で飽和しています。地震発生前は、土粒子同士がゆるいながらも結びつき、安定状態にあります。しかし、地震が生じることで地中の水圧が上昇し、安定状態にあった土粒子の結びつきが弱まります。結果、地盤は水と土に分離し、より重い土は沈み、軽い水は浮上します。

液状化による被害

液状化による被害

地盤沈下

地盤沈下

液状化による地盤沈下

液状化が発生すると、水と土が分離し、重い土は沈み、軽い水は浮上します。沈んだ土は底のほうから徐々に堆積しますが、地震前に含んでいた水分が流出している分、堆積は小さくなっています。その結果、地表面では地盤沈下が発生し、水分が流出した分だけ地表面は以前よりも低くなります。

噴砂

噴砂

東日本大震災の液状化被害例 噴砂

液状化の際、地盤の割れ目から水とともに砂粒子や泥水が吹き上がる現象を噴砂といいます。液状化が発生すると地中の水圧が上昇するため、地中の水が押し出されるようにして吹き上げられます。

建物の沈下や傾斜

建物の沈下や傾斜

東日本大震災の液状化被害例 戸建て住宅の沈下傾斜

液状化が発生した地盤は強度が低下しているため、その上に建てられた家屋などの構造物を支えるのに十分な支持力を有していません。そのため、建物は泥水に水没するように傾いたり沈んだりすることがあります。

また、液状化により地盤全体が流動し、数mも移動することもあります(側方流動)。土台となる地盤ごと移動してしまうため、建物は傾いたり倒壊したりなどの影響を受けます。

地下管路の破裂

地下管路の破裂

液状化による地下管路の被害

液状化により地面が動いたり形を変えたりすると、水道、ガス、下水道などの地下設備が破裂します。こうしたライフラインの断絶は被災後の生活に大きな影響を与え、避難を余儀なくしたり、救助や修理作業を複雑にします。

道路のひび割れや盛り上がり

道路のひび割れや盛り上がり

地割れ

液状化により地盤沈下が生じると、道路に亀裂や段差が発生します。また、地盤全体が流動する側方流動により、動いた地盤と動かなかった地盤との間にひび割れや盛り上がりが生じます。

橋梁の損壊

橋梁の損壊

橋梁

液状化リスクのある砂地盤では、橋梁の基礎は通常、杭基礎により補強されています。しかし、液状化により地盤が液体のような状態になると、地盤の支持力が大幅に低下するため、橋梁を支える杭が不安定になり、落橋の恐れが生じます。また、地盤が水平方向に移動する側方流動により、橋梁基礎に大きな圧力がかかり、杭が変形したり折れたりし、大きな損壊を招く恐れがあります。

液状化対策

液状化対策

自然災害による土砂崩れのイメージ

液状化を防ぐには

液状化を防ぐには

①地盤の密度を増大させる

液状化の発生しやすい地域はゆるい砂地盤によって形成されているため、地盤を締固めることで強度を増幅させます。

 

②液状化しにくい材料へ地盤を置換する

液状化の発生しやすい砂地盤を砕石や改良土(セメントなどの固化材と混ぜた土)に置き換え、強度の増大を図ります。

 

③土粒子を固結させる

セメントなどの固化材を地中に注入し、地盤を固め、強度を高めます。

 

④地下水位を低下させる

井戸を掘ったり、排水管を設置することで地下水位を低下させ、地盤強度を高めます。

 

液状化へのそなえ

液状化へのそなえ

液状化にそなえ事前にできることとして、地盤調査と地盤改良があげられます。地盤調査における一般的な手法は、ボーリング調査です。ボーリングによって地盤の構造を明らかにし、その土地がどれくらいの強度をもっているのかを調べます。地盤調査の結果、地盤の強度が低いと判明した場合、地盤改良を行います。地盤改良は大きく分けて、表層改良工法、柱状改良工法、鋼管杭工法の三種類に区分できます。それぞれの地盤特性や状況に合った方法で地盤改良を施し、地盤を強固にします。

液状化Q&A

液状化Q&A

Q&A

Q 液状化発生後の地盤は強度が増しているのか?

Q 液状化発生後の地盤は強度が増しているのか?

液状化により地盤沈下した土壌は一見、密度が増し、以前より強度が増しているように思われますが、実際はそうではありません。地中に含まれていた水分の流出により、密度自体は高まっていますが、土粒子の結びつきが弱まるため、強度は低下しています。

Q 同じ場所で液状化はくりかえし起こるのか?

Q 同じ場所で液状化はくりかえし起こるのか?

液状化は同じ場所でくりかえし発生します。液状化発生後の地盤は、土粒子の結びつきが弱まった状態で堆積しているにすぎず、締固められたわけではありません。つまり、液状化発生条件の一つである、ゆるい砂地盤という特性は変わらないため、一度液状化した地盤でも再発の恐れがあります。

Q どのくらいの震度で液状化は起こるのか?

Q どのくらいの震度で液状化は起こるのか?

気象庁_気象庁震度階級の解説

一般的に、液状化は震度5以上の地震で発生すると言われています。

さいごに

さいごに

地震大国である日本では、液状化被害が多く発生します。多くの自治体では液状化予測が公表されています。お住まいの地域の液状化リスクを事前に把握しておくことが重要です。また、新居の建築や引っ越しの際には、土地の特徴を把握し、参考にすることで、将来の被災リスクを抑えることもできます。自然災害を防ぐことはできませんが、事前に対策をとることで、被害を少しでも抑えることが重要です。

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